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型枠大工の人手不足は深刻|採用成功のための5つの対策

型枠大工は、鉄筋コンクリート造の建築物を支える根幹の職種です。コンクリートを流し込むための型枠を設計・加工・組立・解体する専門技術は、マンション・オフィスビル・橋梁・トンネルなど、あらゆるRC構造物に不可欠です。

しかし今、この型枠大工が深刻な人手不足に陥っています。「求人を出しても応募が来ない」「ベテランが引退して現場が回らない」「工期に間に合わない」――こうした声は、もはや一部の企業だけの問題ではありません。

本記事では、型枠大工の人手不足の現状をデータで正確に把握した上で、その根本原因を分析し、採用を成功させるための5つの具体的な対策を解説します。

型枠大工の人手不足の現状 ―― データで見る深刻度

型枠大工を含む建設業全体の人手不足は、もはや「慢性的」という言葉では表しきれないレベルに達しています。まずは具体的なデータで確認しましょう。

9倍超
有効求人倍率
全産業平均の約7倍
36%
55歳以上の割合
建設業就業者
12%
29歳以下の割合
若年入職者の少なさ
¥30,214
型枠工の平均日当
2025年度 全国平均

有効求人倍率:建設業は全産業平均の約7倍

厚生労働省の統計によると、建設業における型枠工を含む躯体工事関連職種の有効求人倍率は9倍を超える水準で推移しています。「求人を出しても人が来ない」状態が常態化しています。

特に型枠大工は専門性が高く、一人前になるまでに最低でも3〜5年の経験が必要。未経験者を即戦力として現場に投入することが難しく、「経験者しか採れない、でも経験者がいない」というジレンマに多くの企業が直面しています。

高齢化率:深刻な世代格差

55歳以上36%
30〜54歳52%
29歳以下12%

国土交通省の建設業動態統計によると、建設業就業者の約36%が55歳以上。一方で29歳以下の若年層はわずか12%。今後10年間で、現在の熟練型枠大工の大半が引退を迎えます。

静かなる人材危機
仮に毎年一定数の新規入職者を確保できたとしても、引退する人数を補うことは到底できません。この「静かなる人材危機」は、すでに進行中です。

若年入職者の減少

建設業への新規入職者数は1990年代のピーク時から大幅に減少。若年層にとって建設業は「きつい・汚い・危険」というイメージが根強く、IT・サービス業など他業種との人材獲得競争で後れを取っています。

さらに、少子化による労働力人口そのものの減少が重なり、型枠大工という職種を知らない若者も多く、そもそも「選択肢に入っていない」ことが最大の課題です。

型枠工の賃金水準

型枠工の全国平均日当は約30,214円(2025年度)。建設業の職種別でも上位に位置し、鉄筋工やとび工と比較しても遜色のない水準です。

型枠工¥30,214/日
鉄筋工¥30,071/日
とび工¥29,748/日
賃金だけでは解決できない
この賃金水準をもってしても人手不足が解消されていないという事実は、問題の根深さを物語っています。賃金だけでは解決できない構造的な課題が存在するのです。

型枠大工が不足する3つの根本原因

型枠大工の人手不足は、単に「求人が足りない」「給料が安い」といった表面的な理由だけでは説明できません。3つの根本原因を掘り下げます。

1

熟練工の高齢化と大量引退

1970〜80年代の建設ラッシュ期に入職した世代が現在の主力を担っていますが、今後5〜10年で一斉に現場を離れます。

型枠大工の技術は、図面を読み解き、木材やコンパネを正確に加工し、寸分の狂いなく組み上げるという職人技。技術伝承の断絶こそが、最も深刻な問題です。人数の減少だけでなく、「質の低下」というリスクも同時に進行しています。

2

3Kイメージと職業認知度の低さ

建設業は依然として「きつい・汚い・危険」のイメージがつきまとっています。近年は安全対策の強化、軽量型枠の導入、現場環境の改善など着実に向上していますが、改善の実態が求職者に正しく伝わっていないことが問題です。

そもそも「型枠大工」という職業自体を知らない若者が大半。進路指導で建設業の職種が紹介されることは稀であり、職業としての認知度が極端に低いことが入職者の減少に直結しています。

3

待遇と労働環境の課題

日給は約30,214円と決して低くありませんが、建設業特有の課題が残っています。

  • 天候による休工リスク(日給制の場合、収入が不安定)
  • 社会保険の未加入問題(一人親方・小規模事業者)
  • 週休2日の未達(4週6休や4週5休の現場が多い)
  • キャリアパスの不透明さ(職長の先が見えにくい)

型枠大工の採用を成功させる5つの対策

ここからは、型枠大工の採用を成功に導くための5つの具体的な対策を解説します。いずれも「明日から取り組める」実践的な内容です。

対策1:待遇改善 ―― 日当30,000円時代の給与設計

採用において最も基本的かつ効果的な施策は待遇の改善です。型枠工の公共工事設計労務単価が全国平均で約30,214円に達している今、この水準に見合った給与を実際に支払えているかが採用力を大きく左右します。

日給の見直し:経験者には日給32,000〜35,000円以上で競争力確保
月給制の導入:天候による収入変動をなくし「月給45万円〜」で訴求
社会保険の完備:健康保険・厚生年金・雇用保険・労災+建退共
賞与・手当の整備:資格手当(型枠施工1級・2級)、職長手当、現場手当
週休2日の推進:4週8閉所で「休めるから選ばれる」会社に
人件費ではなく人材への投資
人が来なければ工事を受注しても施工できません。待遇改善は「人件費」ではなく「人材への投資」として捉え、経営判断として取り組むべきです。

対策2:外国人材の活用 ―― 技能実習・特定技能の戦略的導入

国内の日本人労働力だけで不足を補うことは現実的に困難です。外国人材の活用は、多くの型枠工事会社にとって経営上の必須戦略になりつつあります。

制度在留期間特徴
技能実習(1号〜3号)最長5年未経験者の育成が可能。監理団体を通じて受入れ
特定技能1号最長5年即戦力人材。試験合格または技能実習2号修了が要件
特定技能2号無期限(更新制)熟練技能者。家族帯同可。長期戦力として期待

型枠施工は、技能実習の対象職種であり、特定技能「建設」の業務区分にも含まれています。技能実習 → 特定技能1号 → 2号というキャリアパスを企業が明確に示すことで、優秀な人材の確保と定着が期待できます。

2027年4月:育成就労制度が施行
現行の技能実習制度に代わる育成就労制度が施行されます。転籍(転職)の柔軟化など大きな変更があるため、今から制度の理解と対応準備を進めましょう。

外国人材の受入れは、建設業・型枠工事の受入れ実績が豊富な監理団体・登録支援機関を選ぶことが成否を分けます。

対策3:求人媒体の見直し ―― 建設特化型サービスの活用

「ハローワークに求人を出しているが、まったく応募が来ない」――大手総合求人サイトに掲載しても、建設業の求人は他業種に埋もれてしまいます。

建設業特化型の求人サイトで経験者にダイレクトリーチ
Indeed・求人ボックスで「型枠大工 求人 (地域名)」の検索流入を獲得
求人票に仕事内容・1日の流れ・先輩の声・写真を盛り込む
自社ホームページに採用ページを設ける(求職者は必ず確認する)
データで媒体を選定
複数の媒体を組み合わせ、どの媒体から応募が来ているかをデータで把握することが、採用コストの最適化につながります。

対策4:若年層へのアプローチ ―― SNS・動画を活用した採用ブランディング

型枠大工の将来を考えたとき、若年層の入職は避けて通れません。従来型の求人広告だけでは若者にリーチできません。若者が日常的に接触するメディアを活用した採用ブランディングが必要です。

1

Instagram ―― ビジュアルで訴求

現場の写真、完成した建物、職人の作業風景。ハッシュタグ「#型枠大工」「#建設業」「#職人の仕事」で検索流入を狙う。

2

TikTok ―― 短尺動画で職人技をアピール

型枠の組立・解体の作業工程を短尺動画で紹介。「職人技」系コンテンツは若者の間で人気が高く、バズる可能性あり。

3

YouTube ―― 長尺で仕事の魅力を伝える

「型枠大工の1日密着」「未経験から型枠大工になるまで」などのコンテンツで、仕事のリアルと魅力を発信。

CCUSでキャリアパスを可視化
建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用し、技能レベルに応じたキャリアパスを可視化。レベル1〜4の評価に基づく処遇改善で「頑張った分だけ正当に評価される」仕組みを伝えましょう。

対策5:採用マッチングサービスの活用

現場を回しながら採用活動にまで手が回らない――多くの型枠工事会社の本音でしょう。建設業に特化した採用マッチングサービスの活用を検討すべきです。

専門アドバイザーが採用条件を整理し、求職者に刺さる求人を作成
非公開の求職者データベースで転職検討中の型枠大工とマッチング
事前ヒアリングで条件すり合わせ → 入社後のミスマッチを低減
成功報酬型で初期コスト抑制(採用決定まで費用ゼロ)
日本人 + 外国人材のワンストップ対応で採用チャネルを最大化

「自社でやるべきこと」と「外部に任せること」を切り分けることが、限られたリソースの中で採用を成功させる現実的な戦略です。

まとめ:型枠大工の採用は「待ち」から「攻め」へ

型枠大工の人手不足は、高齢化・3Kイメージ・待遇課題という3つの構造的な原因が複合的に絡み合っており、短期間で解消される見込みはありません。しかし、だからこそ今すぐ行動を起こした企業が、採用市場で優位に立てるのです。

5つの対策まとめ
  1. 待遇改善 ―― 日当30,000円時代にふさわしい給与設計・月給制・福利厚生
  2. 外国人材の活用 ―― 技能実習・特定技能を戦略的に導入し、CCUSでキャリアパス構築
  3. 求人媒体の見直し ―― 建設特化型サービス活用とデータに基づく媒体選定
  4. 若年層へのアプローチ ―― SNS・動画で「認知」から「興味」へ
  5. マッチングサービス ―― 専門アドバイザーの力でマッチング精度向上

すべてを一度に実行する必要はありません。まずは自社の状況に合った対策から1つずつ始め、PDCAを回しながら改善していくことが重要です。「求人を出して待つ」だけの時代は終わりました。攻めの採用戦略で、御社に必要な型枠大工を確保しましょう。

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